なぜ?乳がん撲滅に寄付するのか?
協会では、まだ始めて短いのですが、日本乳がんピンクリボン基金へ、一般会員の皆様からご支援いただいている会費の一部を寄付させていただいております。
盲導犬や震災からの復興基金など、他にもたくさんの基金がある中、なぜ乳がんピンクリボン運動を選んで寄付をおこなっているかといいますと、私自身、音楽教室マネージャー時代に、乳がんでこの世を去った先生方や社員の方を多く見てきたからという理由があります。
音楽教室は当然のごとく、女性講師が多い世界で、それを経営する楽器店も女性が多く、私がいた楽器店も先生を入れれば実に90%が女性という職場でした。こういった女性が多い職場ですと、やはり「乳がん」になる方も中にはいらっしゃって、この間まで元気で仲の良かった先生や社員が、この世を去るのを間近で見てきた経験から、女性会員が圧倒的に多い協会としても乳がんで悲しい思いをする人が少しでも減る手助けができたらと考えています。
乳がんの悲しみの深さとガン根絶への進化
乳がんだけではなく、がんは生きている以上は切っても切り離せない病気ですが、とかく乳がんは若い人が発症するケースも多く、先日の小林麻央さんの死去のように、残された子どもたちの悲しみを考えると、他のガンに比べ悲しみの度合いが大きくなるケースがあります。
医療技術の進歩で5年、10年生存率もステージごとに高くはなってきているものの、やはりリンパへの転移があると若い人ほど生存率は低くなり、楽器店時代、女性社員がステージⅡの初期でしたがリンパへ転移しこの世を去ってしまったケースもありました。そう考えると、若いときからの「予防医療」がいちばん大切なことだと思います。
今の時代、注目されているのが、病気にかかってから治す「治療」ではなく、病気にかからないようにする「予防医療」が注目されてきています。
がん検診は「予防医療」の一つではあるのですが、そもそもの原因を根絶させることでガンを発症させなくするという研究がおこなわれており、例えば胃がんの原因は90%以上がピロリ菌が原因であるということが分かり、胃がんの予防のためにピロリ菌の除菌が有効という研究成果が出ています。
まだまだ研究段階であったり、噂話程度のものも多くあるのですが、そもそもガンはウイルスや菌が原因なのでは?という仮説のもと、口の中の口腔細菌のバランスを良くすることでガンの発症を抑えることができるのでは?という内容や、中国人に乳がんが少ないのは牛乳を飲まないからではないか?という仮説のもと本が出版されたりもしています。これらは真意は不明ですので、安易に信じるのは危険ですが、こういったたくさんの仮説と予防医療研究で、ガンを根絶させる動きが盛んになってきています。
乳がんと音楽教室は切っても切り離せない
ただ、研究にはお金が必要で、高い可能性を持った研究でも資金が足りず、思うように進めることができないといったケースもあるため、協会ではピアノを始めとする先生方に密接に関係する乳がん撲滅に投資していきたいと考えています。
音楽教室は子どもたちの心の拠り所であり、それを教える先生の存在は、乳がんという悪しき病で命を絶たれるようなことがあってはなりません。ただ、そう考えると、音楽教室を運営するということは、乳がんというリスクを少しでも減らしていく必要があると思います。
私自身、ある日突然、たくさんの生徒に愛されていたピアノの先生が乳がんにかかり、1年で亡くなってしまい、その後に残された教室の看板を見て、やるせない気持ちになったことを今もなお、心に刻んでいます。