先日、この記事を読みまして、いよいよ音楽の世界は、楽器店や大手音楽教室には手の届かないところに行ってしまったと感じました。
愛知・アイドル教室(上)平日は接客、寿司店で会える「週末寿司ドル」(産経ニュース)
http://www.sankei.com/premium/news/150228/prm1502280015-n1.html
本来でしたら、このようなアイデアは音楽を教えること、音楽の世界に詳しい楽器店や音楽教室が発想し展開していってもおかしくない内容なのですが、実際は音楽とは一見、関係なさそうなお寿司屋さんの発想です。
果たして、ここ最近、楽器店や音楽教室が自由な発想で新しい波を作り出した企画はいくつあるでしょう?
答えは「ほとんど無い」だと思います。
ただ与えられた楽器を売るだけ、ただ与えられた音楽教室で生徒集めるだけという過去の経験をなぞるばかりで、新しい発想や挑戦をする体質は消え去り、むしろ全く音楽に関係のない業界のほうが柔軟な発想をすることができるため、この記事のように「お寿司屋+アイドル」という既存のものを組み合わせた新しい化学変化を生むことができる時代になっています。
こう書くと、高尚な考えを持つプライド高い楽器店や音楽教室関係者は「アイドルなんて音楽とは関係ない」と言い出す人も非常に多いのですが、その頭の固さが時代に取り残され、ユーザーのニーズとかけ離れた古いやり方しかできず、楽器が売れない、生徒が集まらないという経営悪化を招いています。
ユーザーの心をつかむためには、インパクトのある新しい発想が必要になるのですが、柔軟に既存の者同士を組み合わせて、新しい物を生むことが必要になります。
このお寿司屋さんは「寿司という精通した世界」と「アイドルという未知の世界」を柔軟に組み合わせることで新しいものを生み、成功へ向けて勢いづいている最中だと思います。こういった考え方は、古くからの手法が一番だというプライドに埋もれた楽器店や音楽教室には真似できません。同じことをしようとしても、古い体質を持った社員に「そんなことやっても無駄」「余計なお金を使うだけ」と言われ潰されるだけです。
もし、このような楽器店や音楽教室に所属していて、生徒数が少ないまま時が過ぎている先生は、自宅で個人音楽教室を開き、自分の自由に新しいことへ挑戦したほうが生徒さんは集まります。逆に言いますと、こういう新しい発想ができない楽器店や音楽教室が多いからこそ、ちょっとした工夫だけで、地域の方々は「あ、こっちのほうが楽しそう」と感じ、生徒さんとして通ってくれるようになります。
だから、当協会のニュースレターでもその手法をお伝えしているとおり、今の時代は自宅での個人音楽教室のほうが、生徒さんが集まるのです。