そんな仕事しているのに子供にピアノ習わせてないんですか!?
一般社団法人全国個人音楽教室生徒募集支援協会スカテナート理事長の大沢です。
私もこういう仕事をしていますし、私の奥様もピアノを弾く仕事をしていますので、よく「お子さんもピアノ習ってるんですよね?」と言われることがあります。
小学生の娘がいますが、残念ながら一度もピアノを習ったことはありませんし、音楽教室にも通うことはありませんでした。
そう言うと「え?」と驚かれる先生もいらっしゃるのですが、親の才能や仕事は必ずしも子供に受け継ぐ必要はありませんし、子供は子供で一人の人間。親とは違った個性や才能を持っていますから、好きなこと興味のあることを優先的にやらせてあげることが、才能を見つけて開花させてあげる最初のステップだと思っています。
ただ、娘がこれまでにピアノを習いたいと言わなかったわけではありません。6歳の頃にピアノを習いたいと言い出したことがあったのですが、結局は色々な理由があって習うまではいかなかったことがあり、この理由にこそ、ピアノ教室や音楽教室が抱える生徒募集の大問題があるのです。
探しても近所にピアノ教室が無い!?
娘がピアノを習いたいと言い出したとき、地元の懇意にしているピアノの先生(当協会の会員でもあります)に習う事も考えたのですが、どの先生も我が家からは非常に遠く、毎週通うのは現実的ではない距離でしたので、近くのピアノ教室を探すことにしました。
娘の話では、お友達にもピアノを習っている子がいて、近くで習っているらしいと言うのでネットで検索をしてみたところ
インターネット上では近所のピアノ教室はおろか音楽教室もほとんど出てこない状況でした。
2教室だけGoogleマップには掲載されていますが、ホームページも何もないのでどんな教室かも分からない。しかも、娘のクラスでピアノを習っている子は非常に少なく、どんなピアノ教室があるかといった口コミの情報も入ってこない。
そうこうしているうちに、娘はダンスに興味を持ち、ピアノのことはすっかり忘れてダンス教室に通って今も楽しんでいます。
このことから、ピアノ教室、音楽教室の生徒募集で見えてくるのは2つのことがあります。
せっかく地域に子供がいるのにピアノ教室に生徒が集まらない理由
まず、インターネット上でピアノ教室や音楽教室がほとんど出てこない、ホームページなど詳しい情報を提供している教室が皆無という地域では、ピアノ教室や音楽教室が習い事として選ばれにくくなってしまう。
そしてもう一つは、その結果、学校や幼稚園、保育園でピアノ教室や音楽教室に通う子供の比率が少なくなり、周りへの波及効果も殆どなくなってしまうということが挙げられます。
子供が「習い事をやってみたい!」と思うきっかけは、親の言葉やテレビ、本などがありますが、一番効果的なのは「お友達がやっている」ということです。しかも、やっているお友達が多ければ多いほど「自分も習いたい!」という気持ちが強くなります。
もし、私の住んでいる地域にいるピアノ教室の先生が、きちんとしたホームページを公開して、音楽の魅力、教室の魅力、先生の魅力を存分に表現していれば、おそらく私もその教室を選んで体験教室に行ったでしょうし、娘の友だちもピアノを習っている子がもっともっと多かったと思いますので、娘も沢山の友達が習っている習い事として、ダンスなんかに浮気せずに一目散にピアノを習っていたと思います。しかし、残念ながら私の地域のピアノ教室は、子どもたちの「心の熱」を上げてくれる教室は無かったようです。
ピアノ教室や音楽教室の生徒募集は「地域」のことを一番に考える
ピアノ教室、音楽教室は、地域で生徒募集を活性化させる使命を持っています。
生徒募集というのは「自分の教室に生徒を集める」のが生徒募集だと勘違いしている先生が多いのですが、そうではなく、生徒募集とは「地域に音楽教室の素晴らしさを発信して自分の教室に集まってもらう」ことが真の生徒募集です。「地域」と「音楽教室の生徒募集」は切って離せない関係であり、それが地域の持っている「音楽文化度」になっていきます。
自分の教室だけのことを考えてるようでは生徒は集まりません。地域で音楽教室に興味を持ってくれる人を増やす!という「熱」を伝えなければ、地域の人々の音楽への熱も上がりませんし、音楽教室人口が増えることもありません。
余談ですが、そんな状況だということを私の奥様に話したところ「私がピアノ教室やろうかな。あなたがホームページ作って」と言い出し、いやいや、できないことはないけれど、もしこの地域で協会の自動生徒募集システムを利用したいっていう先生が出てきたら同じ地域で生徒募集が被ってしまう、と丁重にお断りいたしました。
だけど、私の住んでいる地域は、本当に自動生徒募集システムを導入するピアノ教室が出てきたら、かなりの数の生徒が集まるんじゃないかと歯痒い思いをしています。