生徒募集は営業行為だから嫌いと言う先生たち
一般社団法人全国個人音楽教室生徒募集支援協会、スカテナート理事長の大沢です。
昔、音楽教室のマネージャーをやっている頃、先生方に生徒募集協力のお願いしたところ
「会社は生徒募集というお金のための営業行為ばかりしている!」と不満をぶつけてきた先生がいらっしゃいました。
生徒が集まらなければ会社の経営はおろか、先生に生徒をつけることもできなくなるのですが・・・という当たり前の話は置いておきまして、「生徒募集=営業行為」という表現について、ちょっと考えたいと思います。
確かに、かつての生徒募集といえば、1件1件、子供がいそうな家に飛び込み営業をして体験教室の申込みを取ってくるという営業スタイルが主流でした。それにはもちろんチラシを新聞折込したり、広告を出したり、当時はまだ個人情報についてうるさくない時代でしたので名簿に沿ってダイレクトメールを送ったりしてから、更に営業担当者が自分の地区を1件1件訪問して取りこぼさないようにする。これが生徒募集であり、確かに「営業行為」と言われてもっともなやり方だったと思います。
こういった、営利目的の草の根セールス活動は、正直、自宅で音楽教室を開設して生徒募集を自分でやらなくてはいけない先生もやっていたかというと「どちらかというと、こういうことはやりたくない・・・」と思う先生が大半で、ピアノの先生がチラシ配りするなんて栄誉に関わる!と思われる先生も少なくありませんでした。
だから、「生徒募集」は「営業行為」だから「嫌悪感」を抱く先生が今だにいるのです。
音楽教室の生徒募集はもっと高尚なもの
しかし、時代は変わって、このような1件1件を訪問するスタイルのセールスは嫌われるようになり、大手音楽教室で抱えていたセールス軍団もどんどんいなくなり、音楽教室の生徒募集は「営業行為」と呼べなくなってきました。にも関わらず、今もなお、「生徒募集」と聞くと毛嫌いする先生は多いですし、やらず嫌いの食わず嫌いに陥って、生徒募集に力を入れず生徒数も少ないまま風前の灯火となっている教室もあります。
しかし、もう生徒募集は皆さんが嫌いな営業行為をする必要は無いのです。
生徒募集は「自分の想いを地域の人々に広める手段」なのです。
「生徒募集」という言葉は確かに生徒を増やして月謝をもらう営利目的の行為です。しかし、生徒になってもらうためには営利の前に「先生が持っている『音楽教室は素晴らしい』という想いを相手に伝える」ことを行う必要がありますし、その想いが魅力的なもので相手を納得させることができて初めて生徒になってくれるのです。月謝という営利は、先生の持つ想いが伝わった結果にしか過ぎないものです。
世界に発信できるから生徒募集は楽しくなる!
生徒を増やすにはどうしたらいい?月謝を稼ぐにはどうしたらいい?そうやって考えてしまうと、生徒募集はただの営利目的でしかなくなってしまい、いくらホームページを作ろうとしても中身は薄っぺらい内容で「私は生徒増やしたいです!」という雰囲気しか出せなくなってしまいます。そうではなく、生徒募集は自分の魅力や想いを地域に広げるための道具です。もっと言えば、先生という人間を世界に広げるための道具なんです。これを理解した上で、どんな魅力や想いを伝えていくのかを考えていく必要があります。
そう考えると「生徒募集」が楽しくなってきませんか?本当は自分の好きなことを世界に発信できるんですよ。変にピアノの先生だからといって堅苦しくする必要もなければ、だれかの真似をする必要もありません。自分だけの想いを作り上げて発信できるのです。
なかなか最初は想いが伝わらないかもしれません。しかし、世界に自分の想いを発信すると考え試行錯誤をして、何度も文章を作り直していくうちに、世界がぐっと自分に近づく時が来ます。そのとき初めて、地域の人々は生徒になってくれるのです。