緊急事態宣言解除後にピアノ教室は大きく2つに分かれた
一般社団法人全国個人音楽教室生徒募集支援協会スカテナート理事長の大沢です。
新型コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言中、ピアノ教室を始めとする音楽教室の存在価値は大きく変化しました。
これについては以前にもいくつか記事を書いていますので、そちらをご覧いただきたいのですが。
まず、厳しいことをお話しますが・・・
この変化に対応できる先生と対応できない先生とでは、今後、今まで以上に生徒募集にも大きな差が生まれることを確実に感じています。
特に以前にも書きましたが、twitterなどのSNS上では、この変化に対応できずネガティブ発言や生徒への不満を平気で書く先生も多数現れ、変化を受け入れることができず否定しかできないピアノ教室と、変化を受け入れて乗り越えようと前向きな姿勢でいるピアノ教室の2極化が今まで以上に進んだ印象を受けています。そして、この2極化により、ネガティブな教室はこれから更に起こる変化にもついていけず生徒を減少させていくことになり、ポジティブな教室は変化を乗り越え進化して生徒を更に増やしていく。この現象は確実に起きていくだろうと考えています。
新型コロナウイルスがもたらした音楽教室業界の大きな変化
今回の新型コロナウイルスによる変化は、対面でのレッスンができなくなったことや、生徒募集がストップしてしまったことだけではありません。6月に入ってからはレッスンも正常化したピアノ教室も多く、徐々にではありますが体験教室の申込みも増え、日常が戻りつつあります。しかし、重要なのはこういった日常が戻ってきたということではなく、目に見えないウイルスとの戦いは確実にこれから人々が必要とするものを変え、心を変えていっています。その変化に気付けるかどうかが重要になっています。
それでは、その「人々の変化」とは何でしょう?
これまでの音楽教室の生徒募集の歴史を振り返ってみますと、まさにバブル絶頂の頃、ピアノ教室は何もしなくても生徒がどんどんと集まった時代がありました。ピアノ教室というだけでもてはやされ、まさに青田刈りという表現がピッタリな時代で、ピアノもピアノ運送屋が徹夜で仕事をしていたというくらいの時代でした。しかし、そんな祭りが終わり、ピアノ教室というだけでは生徒が集まらなくなり、近隣の教室との競争時代に突入します。この競争に勝つには、生徒を流れ作業のようにレッスンするのではなく、一人ひとりの個性に合わせたレッスンをおこない大切にすることで「この先生はいい先生だよ」と紹介をもらえるよう、教室を差別化していくことが必要な時代になりました。
しかし、そんな生徒の個性に合わせることも当たり前になってしまうと、今度は地域での価値を高める必要性ができてきます。地域でのイベントに参加し、露出を増やし、生徒が生徒を呼ぶ紹介から更に進化した、地域に価値を浸透させ噂を広げる「クチコミ」を広げる事が必要なりました。そして、インターネット。ホームページの登場です。ネット上で地域に自分の教室の魅力を発信し教室の価値を高める時代。ピアノ教室を始めとする音楽教室のネットビジネス時代に突入します。
しかし、今は更に変化。人々の心は進化しています。
生徒と一緒に夢を叶えられますか?
新型コロナウイルスにより社会は分断され、人と人との接触すらもままならず、働き方や学び方まで大きく変えられてしまい、オンラインがその役を担う時代に思えるかもしれませんが、以前にも何度も書いていますが「人というのはリアルな触れ合いによる自己実現」こそが重要であり、これはオンラインでは果たすことができない役割です。
社会の仕組みがどんどん変わっていき、人々は不安を抱えています。これから社会はどうなっていくのか?仕事はどうなっていくのか?学校はどうなるのか?子どもたちの未来は?
そんな不安を解消するため、自己実現を叶えるため、お互いが夢を語り叶える。人間の持つ幸福の原点である「夢の実現」を叶えられる場所。これがピアノ教室に必要な時代になっていきます。
ピアノ教室を始めとする音楽教室は、生徒募集をして楽器を教えるだけの場所ではなくなっていきます。この「夢を実現する」役割を担う教室に多くの生徒が集まるようになります。
実はこの役目は、すでに昔からやっている教室も数多く存在します。もちろん、ピアノを習って将来はピアノの先生になりたいという夢を叶えるというのもありますが、それだけではありません。人の夢は千差万別無数にあります。そんな中から先生が一緒に叶えてあげられるものを見つける。そしてそれが先生にとっても夢を叶えることになり、お互いが夢を叶える。これを大切にして、地域にそういう教室であることを発信できる教室に生徒が集まってくる時代です。
すでに音楽教室の新しい時代は始まっています
残念ながらネガティブな先生にはこの役目を担うことができません。おそらく、ネガティブな人はこれを読んで「意味が分からない」「そんなことできるわけがない」「何様?」と思うに違いません。ネガティブな考えが日常化している人というのは、すでにこういうポジティブな考え方を受け入れることができなくなっているので、何も思いつかなくなっています。
逆にこの文章を読んで、とりあえず思いつかないけどワクワクしてくる人や、考えてみようと前向きになる人は、次の時代でも生徒が集まる大きな可能性を秘めたポジティブな人だと思いますし、私はそういった先生たちと一緒になって、次の時代の音楽教室業界を作っていきたいと思います。
少々、手厳しいことも書きましたが、新型コロナウイルスで人々が分断されたとき、世界は感じたことのない恐怖に見舞われました。そのような恐怖が世界を変えないわけがなく、それは音楽教室業界も同じです。しかし、世界が変わるということは時代が変わるということです。時代が変わると人の考え方が変わります。人の考え方が変わると今まで地域で1番だったピアノ教室が1番じゃなくなる可能性も大いに出てきます。地域での順番が変わる可能性が生まれるのが時代が変化したときです。
想像しましょう。新しい音楽教室業界を。ご自身の新しい教室の未来を。もう、新しい時代に突入しています。