ピアノ教室でシニア世代を生徒募集できるか?
先日、無料市場調査にお申し込みいただいた会員様とのメールのやり取りで、ふと思い出したことがあります。
地域的にシニア世代が多い教室の先生の中で「シニア世代を集めたい」という先生が多いのですが、これって、子供を集めるよりも難しいことがほとんどです。
私も大手音楽教室のマネージャー時代、シニア世代がとにかく多い地域で、子供よりシニアを集めたほうが集まるのでは?と思い、色々と策を練っていた時代があります。
おそらく当時としてはどこよりも早く、シニア世代向けに特化したピアノ教室を展開したり、シニアを集めて孫を紹介してもらうことで子供の生徒募集も上手くいくのでは?と思っていたのですが・・・
結果は惨敗でした・・・
なぜ、シニア世代はピアノ教室に通わないのか?
シニア世代の生徒募集を展開すると、最初は無料体験教室にも集まりますし、入会する人もいるんですが、定着率も悪くすぐやめてしまう。理由としては、シニア世代が多い地域というのは、とにかくお金を使わない。人間の生活に必要な衣食住にはお金を使い、健康食品や器具にもお金を使いますが、ピアノ教室といった生活必需品ではないものには、とにかくお金を使わないというところにあります。
しかし、不思議なことに、若い世代が多い地域ですと、シニア世代もお金を使います。これは、言い方は悪いですが、若者のエネルギーに触発されて、お金を使うというバイタリティーが溢れているんだと思います。
つまり、シニア世代がお金を使ってピアノ教室に通うためには、周りに若者がたくさんいてエネルギッシュになる必要があるということです。
そして、もう一つ、シニア世代が多い地域の特徴として、シニア向けの無料や激安な音楽サークルが力を持っているため、みんなそちらに流れていってしまっているということです。
こういったサークルがあると、自分の教室で生徒を集めるよりも、地域に名前を売って、サークルの講師として招かれたほうが良いように思えてきます。
もちろん、中にはシニア世代が多い地域でも、数多くのシニアの生徒さんを抱えている教室もありますが、地域のシニア世代に名を売り、一目置かれる立場で生徒が集まっているケースがほとんどです。これは、さすがにどんな先生でも真似できるというものではありません。
こういったことから、子供が集まらないからと言って、安易にシニア世代の生徒募集にチェンジしていくことは、あまり得策とはいえません。
シニアも子供もピアノ教室で生徒募集するには?
シニアを集めて孫を紹介してもらって子供も・・・という考え方も間違っていて、お爺ちゃんお婆ちゃんがピアノが楽しいから孫も通わせたいと思っても、子供の実験を握るのは父母です。子供への習い事が増えている中、ピアノに対する理解が無い父母ですと、お爺ちゃんお婆ちゃんが孫を習わせたいと思っても、発言力があるか資金源にならないと、なかなか孫を紹介するまではいきません。
むしろ逆に、孫がお爺ちゃんを連れてくるということはあります。お爺ちゃん一緒にピアノ習おう!一緒に発表会で連弾しよう!という言葉で、ピアノを始めたというシニア世代をたくさん見てきましたし、発表会での微笑ましい孫との連弾の背景には、いつも孫に誘われたお爺ちゃんの姿がありました。
シニア世代が多い地域と言っても、子供の生徒募集を諦めては、シニア世代も集めることはできません。